はじめに
今回もエレクトリックミュージック・クリエイターのための作曲アイディアと表現テクニックを読み進めていく。そして、モードの特徴に焦点を当てる。
スケールが持つそれぞれの指紋
あるスケールを使ってメロディ(時にハーモニー)を作ることがモードによる作曲法である。世の中には様々なスケール、音階がある。
だれもが知っているマイナー・ペンタトニック・スケールや沖縄の音楽特有などの違いは一体何なのだろうか。
それは、スケールの指紋と言っても良い。
Cメジャー・スケール↓
Cドリアン・スケール↓
メジャースケールによって作られたメロディと前回学んだドミナントモーションの進行を持っていれば、それは調性音楽のメジャー・キーである。
これと同じで、ドリアンスケールを使って作曲するとドリアン・モードで作曲することになる。
ドリアンモードとは
ドリアン・モードとはマイナー感のあるモードである。
マイナーといえば、調性音楽のマイナーキーを思い浮かべると思うが、ドリアン・モードはそれより少し明るい雰囲気を持っている。つまり、調性音楽では表現できないマイナー感を持っていることになる。
ドリアンの特性音
ドリアン・モードを表現するためにはいくつかポイントがある。その1つが特性音の存在である。ドリアン・スケールの6thが特性音であり、この1音がなければドリアンの響きではなくなる。つまり、モードを扱うには特性音の知識がとても重要である。
最近ではドリアンモードはマイナー・キーではなく、マイナー・モードを指すことも多い。
モードでの作曲は、コードが鳴っていなくても音楽としてなんら不足はなく、コード進行に縛られない世界。調性音楽と交わる部分がない完全なモードの世界を表現することが可能である。そしてかなりシンプルであるとも言える。
モードが持つシンプルさと多様性
民族音楽の多くはモードである。例えば、日本の国家である、「君が代」は、律旋法(旋法=モード)とい
う日本の音階で出来ている。
君が代の楽譜とメロディを実際に確認してみる。
コード進行は感じられないし、最終小説で終わった感もない。
つまり、モードの作曲は明らかに調性音楽とは違うことが感じられるのではないだろうか。
そして、モードの持つこのシンプルさとテクノ・ミュージックが持つミニマル感は相性が抜群に良い。
終わりに
今回はドリアンモードを基に、モードの特徴、特性音の存在を学んだ。そして、調性音楽では表現できないような音楽をモードでは作曲できることを学んだ。
次回はさらにエレクトリックミュージック・クリエイターのための作曲アイディアと表現テクニックを読み進め、様々のモードの持つ響きを学んでいこうと思う。
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