はじめに
今回はモードに於けるハーモニーの考え方について学び、前回のモードを決定づける特性音や3rdの音に着目し、コードとは異なるハーモニー感覚についてまとめる。
2音でも充分に機能する
モードでハーモニーを鳴らすのは、コード進行を表現するためではなく、アレンジメンでサウンドに厚みを持たせたり、特性音を持続させてモード感を強めるといった目的が主。1音では足りないから、2音鳴らす、もっと厚みを持たせたいから3音鳴らすということであり、コードを鳴らすのではない。2音でもハーモニーとしては充分に機能する。
モードにアボイド・ノートはない
調性音楽のコードは、4音+3音のテンション・ノートという構造になっている。
多くの場合、3音のテンション・ノート内の1音は不協な響きになることを理由にアボイド・ノートとして指
定され、持続して鳴らすことは許されていない。(経過音であればOK)
しかし、モードの場合アボイド・ノートという考え方を捨て、全てのスケールの音を持続させることができる。だが、ヴォイシングにはそれなりに工夫も必要ではあるが、多くの場合は適当なヴォイシングでも成立することが多い。
アボイド・ノートを含むハーモニーは調性音楽のコードとは違う響きを持っているため、モードらしい響きをアピールすることが可能である。
2〜4音のハーモニー
モードでは、ハーモニーは2〜7音まですべて使用することは可能だが、楽器演奏する肉体的な制限を考
えると、5音までが限界である。今回は2音のハーモニーをを自在に操れるようになるのが目標である。
また、アナログ・シンセサイザーような単音でも太い音で同じハーモニーを鳴らすと、サウンドが濁るケースもあるので、音色選びも重要である。
特性音と3rd
曲でモード響きを早めに提示する場合、特性音を含む2音を1小節目、2小節目あたりで使うと良い。おモードでは、スケールの音の組み合わせであれば全てハーモニーとして使用できるが、重要となるのはこ
れまで学んできた特性音である。
下記はポイントである
- 特性音+3rdを早めに鳴らす
- 2音を1オクターブ以内に収める
- その他の音は均等に扱って良い
今回は上記のポイントを使用し、Cリディアン・モードで試してみる。
Cリディアンの特性音は#4th(ファ#)、メジャー3rdはミである。
1小節目で特性音の#4thとメジャー3rdを鳴らし、リディアンの響き確定させる。
その後、この2音を多用し、リディアンのカラーを濃くしている。
ミクソリディアン・モードの響き
ミクソリディアン・モードも響きを確認してみる。
Cミクソリディアン・スケールの構成音なので3番目の音はM3rd、特性音は♭7th(シ♭)。ただし、ミクソリディアン・モードは他のダイアトニック・モードとは少し違う見方をあり、4thも特性音に組み込むことがある。しかし、今回は♭7thのみを特性音と考える。
下記の楽譜は2種類のハーモニーを使っている。
Synth2で1小節目の特性音を鳴らしてミクソリディアン・モードを明確にしている。特性音と3rdを強調しながら、2〜4音のハーモニーを作るのはリディアンやミクソリディアンに限った手法ではなく、どのモードでも同様である。
終わりに
モードでハーモニーを鳴らすのは、コード進行を表現するためではなく、アレンジメンでサウンドに厚みを持たせたり、特性音を持続させてモード感を強めるといった目的であることを学んだ。
実際にリディアンやミクソリディアンの楽譜を例にモードの感覚を学んだが、リディアンがとびきり明るい響きやミクソリディアンがブルース的な何かを見出せたわけでなかった。
同じもモードを利用しても、作曲者の個性のよって様々な表現ができるということを学ぶことができた。
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