自助論とは
「天は自ら助くる者を助く」という独立自尊の精神を広めた、古典的名著である。
- 著者:S・スマイルズ
- 訳:竹内 均
- ジャンル:自己啓発
概要
自分に対して「最良の援助者」になれるような精神を得ること、人生の目的を真面目に追求していくために、独立自尊の精神を持つことが大事であること。
「最良の援助者」になるための参考として、達成感にあふれた人生を生きた人々のエピソードを元に自己実現法を書いた実例、セオリーをまとめた内容となっている。
印象に残った箇所
努力は途切れることなく引き継がれる
大切なのは一生懸命働いて節制に努め、人生の目的を真面目に追求していくことだ。(P12.l1)
最高の「教育」は生活と仕事の中にある
人間を向上させるのは文学ではなく、生活であり、学問ではなく行動であり、伝記ではなく、その人の人間性である。(P13.l10)
人間の優劣を決める精一杯の努力どんな分野でも、目標をめざして精一杯努力しなけらばすぐれた業績は上がらない。一志をもって万事を成し得べし。(P18.l3)
自らに対して「最も最良の援助者になること」
自分の力を信頼し、精力的に働くこと、これが人間にとっては不可欠。(P22.l7)
自分の幸福や成功には、自分自身が責任を持たねばならない。(P23.l12)
人生の秘訣九割は快活な精神と勤勉にある。
習うより慣れろ。(P29.l2)
努力でクマも踊り出す
いかにして待つかを知ることこれこそ成功の最大の要諦である。(P31.l3)どんな仕事でも、それを好きになるよう心がけて自分自身を慣らしていこう。そのほうが、現在の境遇に不満をぶつけたり自分にはもっと力があるなどと不遜な考えを持つより、よほど人間らしいではないか。(P32.l5)
倒れるたびに力をつけて立ち上がる人
固い決意さえあれば大抵の目標は成就できる。(P36.l15)
秩序立てて仕事をすることを知らない人間は、いかに天賦の才に恵まれていようと、その才能の四分の三は浪費しているも同然だ。(P40.l12)
「勤勉」を味方にしている人の仕事のしかた
文学は、私の精神のささえであり生活の支えではない。いくら私の作品が売れたとしても、できることならその金は生活費に回したくないのだ(P43.l6)
成長は「無知の知」から始まる
常に自分自身の無知に責め苛まれてきたような気がする。(P44.l8)
この人には「ここで行き止まり」の柵がない。
神に頼るとはなんたることだ。自らの力で自らを助けたまえ。「世間」という学校にしっかり学ぶ。(P89.l5)
なすべきと悟ったことは、全力を尽くしてこれを行え。(P93.l11)
自分を方向付ける「意志の力」
善悪の選択はその人間の自由に任されている(P95.l10)何も生まない生活と決別する
君は今自分の生き方を自分で決める時期にさしかかっている。この機を逃すと、自分で掘った墓に放り込まれて、上に乗せられた石を押しのけることもできず、終始苦しみ続けるかもしれない。意志を持って生きるというのは、我々に身につけやすい習慣だ。だから確固たる意志を持つよう努力しなさい。根無し草のような生活はこれくらいにして、地に足をつけ歩きなさい。枯れ葉のように風まかせにここかしことさまよう生活は、きっぱり捨て去るのです。(P96.l10)
まとめ
自分に対して「最良の援助者」のなれるような精神を得るために、一生懸命生きるための勇気をくれ、やる気が湧いてくる内容となっていた。
自助は知恵(文学や学問)が助けてくれるのでなく行動が大事であること。
行動をしていく中で大事にしていきたいことを下記にまとめる。
- 自らの力で自らを助け、なすべきことに全力を尽くすことが自助へつながるということ。
- 固い決意さえあれば大抵の目標は成就できること。
- 自分に自信を持ち、自分に責任を持って自立することが大切であること。
- 毎日を懸命に生きること。
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